2017年3月31日金曜日

第5節 川崎フロンターレ VS ベガルタ仙台 プレビュー

川崎フロンターレ第5節 ベガルタ仙台のプレビュー


4月1日に行われる「第5節 川崎フロンターレVSベガルタ仙台」のために,「第4節 柏レイソルVSベガルタ仙台」の前半15分を見た.
以下の3つについて見ていく.

①布陣
②ベガルタ仙台のサイドにおける守備の無駄
③ベガルタ仙台のスローイン対応の甘さ

ベガルタ仙台の布陣

まずはベガルタ仙台の布陣から.
3-4-3または3-4-2-1.

自陣に引いて守るとき(セットディフェンス)は,5-4-1になる.


このように,ベガルタ仙台は5-4で自陣に引いて守る.
したがって,ボールはキープできるがなかなか崩せないということが生じうる.


ベガルタ仙台のサイドにおける守備の無駄

サイドの守備の無駄を見ていく.
前半8分,右から左へ攻める柏レイソル.自陣に引いて守るベガルタ仙台.



柏レイソルの中央の選手から,サイドに開いた選手へパスが出る.

この段階で,ベガルタ仙台の守備はだいぶおかしい.

なぜ5バックであるのにもかかわらず,この位置でサイドに開いた選手へプレスに行けないのだろうか?
これでは,普通に4-4のブロックを作ったときと同じ対応である.
本来であれば,ウイングバックの2番が少し前に出て,サイドの選手にボールが渡った瞬間にドカッとぶつかるくらいのことをして欲しい.
もちろん,センターバック5番は,図で2番の位置に居なければならない.

その後,柏は右奥深くに侵入するが,ボールを奪われそうになり,後ろへ戻す.



柏レイソルの最終ラインの選手にボールが戻ってきた場面.
ベガルタ仙台はがっつり引いて5-4-1になっているのが分かる.
この後,柏レイソルは左サイドへとサイドチェンジする.



柏レイソルの左センターバックを経由して,左サイドにボールが渡った場面.

まず,おかしいのがベガルタ仙台の7番.
柏レイソルの左センターバックにボールが渡ったときに,ふらふらと中途半端に前にプレスに行く.

あまりにも不用意でいい加減なプレスに行った結果,サイドの選手にボールが出たときにベガルタ仙台の25番は前にプレスに出られず,非常に中途半端な位置に居ることになる.
ベガルタ仙台の25番は,柏レイソルの選手が画面外の左側に居て前に出られない,というわけではない.
左側には誰も居ない.
ベガルタ仙台の25番は何を守っているのか..

このような場面で7番は,まず,中央を閉めながら柏レイソル金髪君のパスコースを塞ぎ,ジリジリと前に出る.
そして,25番からの声がかかった瞬間に,中央を切りながら前にプレスをかけ,サイドの選手に出させる.
そのプレスの流れでサイドまでボールを追いかけて,25番と一緒に挟んでボールを奪う.
というのが理想かなと思う.

このように,ベガルタ仙台のサイドの守備は非常に怪しい.
右サイドハーフ(右シャドー?)の7番だけで無く,左サイドハーフの10番も非常に怪しい守備をしていた.
そのおかげで,ウィングバックは何をどう守るのか分かってなさそうだった.

ベガルタ仙台の5バックは,守備の仕方がまったく整理されておらず,ただ単に守備の人数を増やしました,という印象が強い.
まあ,守備の人数を増やせば当然失点はしにくいだろうけど.


川崎フロンターレとしては,このベガルタ仙台相手ならば容易にボールを保持できるだろう.
ただ,中央で保持するのではなくサイド奥までボールを当てて,サイドチェンジするなど,左右にひたすら揺さぶりをかけて欲しい.
そうすることにより,ベガルタ仙台の1トップと2シャドーがガス欠,またはやる気がなくなる
さらに,ウイングバックがどうやって守れば良いのか混乱するだろう.
繰り返しになるが,中央付近で長くボールは保持しないこと.


・・・・・・・いかん,ネットが中央付近でボールを持ち,無謀なワンツーをするべく縦に突進する場面が頭に浮かぶ...そして絶望的な状況でカウンターを喰らう....
いや,たいていの時間のネットは,ワンタッチ,ツータッチで素早くボールを散らしてくれている.・・・大丈夫,大丈夫・・・大丈夫だよね?


ベガルタ仙台のスローイン対応の甘さ

続いて,ベガルタ仙台のスローインの対応で気になったところがあるので,それを見ていく.



左から右に攻める柏レイソル.中央付近で柏のスローイン.
図の点線に示すように,ベガルタ仙台は,ボールより前に攻撃の選手を3人残す
なかなか思い切った事をする.

これがどれだけ特殊なことかは,大宮アルディージャを見ると分かる.
布陣は違うが,第1節の大宮アルディージャ(4-4-2).


図は,右側に大宮アルディージャの陣地がある.
中央付近で川崎フロンターレのスローインとなっている.
図の点線を見ると,ボールより前には攻撃の選手が1人しかいないのが分かるかと思う.
スローインになった瞬間に,大宮アルディージャの選手は素早くこの配置についていた.
このような対応が普通だと思う.

中央付近でのスローインのときに,ボールより前に残す攻撃の選手は多くても2人までかと.
しかがって,3人も攻撃の選手を残すベガルタ仙台は,なかなか珍しい.
もちろん,ボールを奪えればチャンスにはなるが,リスクが大きいのでなかなか取らない策だと思う.

この配置がたまたまではなく,チームとしての方針なのは,以下の場面でも確認できる.



もう少し,柏レイソルがゴールに近づいた位置でのスローイン.
同じようにボールの位置から線を引くと,ベガルタ仙台はボールより前に攻撃の選手を3人残している.
このように選手を配置すると,どうなるかはこの後の柏レイソルの攻撃を見れば分かる.
ベガルタ仙台は,スローインに対してセンターバック,ウイングバック,ボランチ2枚で対応している.
そのため,中央のバイタルエリアがガラ空きになる.
とうぜん,逆サイドにも選手は居ない.

この後,柏レイソルはフォワードの一人にボールが渡り,そのまま中央へドリブル.
そこから図の三角の選手にラストパスが出る.

ベガルタ仙台は,スローインからかなり簡単に崩せる.


以上,サイドの守備の無駄とスローイン対応の甘さを見てきた.
このような隙があるので,川崎フロンターレの選手達はかなり余裕を持って戦えるのではないかと思う.
しかし,柏レイソルはベガルタ仙台に0-1で負けている.
上記の隙を突いて崩せたとしても,5バックであることもあり,最後の局面での人数は多い.
したがって,なんとなく守られてしまうこともあるかもしれない.

最後のフィニッシュの精度や意識が,この2週間の中断でどの程度変わったか楽しみにしたい.


以下,よろしくお願いいたします.
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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.