2021年3月22日月曜日

守備の質が違いすぎる 2021年 第6節 川崎フロンターレ 対 浦和レッズ

前線の選手たちの守備の質が違いすぎます.

川崎フロンターレのチーム内での競争の激しさが分かるような気がします.

特に小林の守備への貢献が素晴らしすぎでした.



川崎フロンターレは4-3-3.

浦和レッズは4-2-3ー1.引いて守るときは4-4-2.




前半6分.
右から左に攻める川崎フロンターレ.

浦和レッズは,4-4-2で守備の陣形を整える.


川崎フロンターレの小林の守備

前半1分.

浦和レッズのフォワード14番が,逆サイドのサイドバック6番へとパス.
小林は,そのボールをしっかりと狙う.
残念ながら,この場面ではパスカットできなかったが,しっかりと戻って相手の6番に対峙していた.

前半の5分.

今度は浦和レッズの3番が,逆サイドの6番へサイドチェンジのパスを出す.
それを小林は見事にカット.

攻撃の選手がサイドチェンジを妨害してくれると,守備はすごく助かる.
その仕事をきっちりと小林はこなしていた.

圧巻なのは,前半28分の次の場面.

浦和レッズは,右サイド奥のスローインからサイドを変える.
パスを受けた浦和レッズのセンターバック5番がドリブルでボールを前へ運ぶ.
それを迎える小林.
小林以外の川崎フロンターレの選手は,ボールサイドへシフト中.
よって,小林の守備がものすごく重要になる.


浦和レッズの5番は,サイドに開いた24番へパス.
24番へは山根が寄せる.
それをみて浦和レッズの6番は山根の抜けたところへ走りこむ.

その6番に猛然と追随する小林.

浦和レッズの24番は,しかたなくボールを下げる.
小林は,見事に第一陣の攻撃を防ぐ.

おそらく小林の頭の中には,5番に対峙したときに,後ろにいる6番,サイドに開いた24番をとらえて準備していたのかと思う.

その後,いつの間にか山根と小林のポジションが元に戻っていて,そのまま小林は脇坂と協力してボール奪取に成功.
びっくりするくらい整理され,訓練された守備でした.


よくわからない浦和レッズの前線のディフェンス

前半の40分.

田中がパスカット.
そのまま縦に送る.
浦和レッズのフォワード14番と,右サイドハーフ41番は図のようにボールより前に居る.

シミッチがうまく相手をかわして前を向く.
それをみて,かなりの勢いで戻る浦和レッズのサイドハーフ41番.
そして,なぜかこれまた勢いよく戻り始める浦和レッズのフォワード14番.

ボールは逆サイドに張っていた長谷川までわたる.
なぜかそこまで頑張って戻る浦和レッズのフォワード14番.
サイドバック3番はしっかり長谷川を見ていたし,サイドハーフ41番も十分時間をもって戻っていた.
数的に不利な状況でもなかったのだが..
何回見返しても,なぜあれだけ頑張って戻ったのかわからなかった.

この場面の直後.
前半の41分.

浦和レッズの3番から14番へのスローインを,川崎フロンターレの選手3人で囲んで奪う.


そこから,シミッチ,ダミアン,田中とつなぐ.
田中はサイドを駆け上がる山根へパス.

浦和レッズの左サイドハーフ24番は,遅れているので気合い入れて戻らなければいけない.
浦和レッズのフォワード14番も,サイドハーフが遅れているのが分かるだろうから,戻ってあげてもよい.
浦和レッズのセンターバック4番は,まずディフェンスラインへ戻るべきかと.

サイドハーフ24番は,何故か直進せずに迂回しつつスピードを落とす.
センターバック4番も,スピード落とす.山根がクロスを上げそうなのを見て,慌ててダッシュ.
14番に至っては,なぜか前に行くし.シミッチの影に隠れるように.

山根のクロスを,センターバックの間に走りこんだ小林が決めて先制点.

攻撃と守備の両方で大活躍の小林.
さぞかし走り回ったのだろうと思うのだが,Jリーグ公式サイトによると,90分での走行距離は10.5km.
浦和レッズのフォワード14番の走行距離10.5kmと同じ.

いかに効率よく動けているかがよくわかる.

ちなみに,小林はサイドで今季初先発.
それでこれだけの動きができるのは見事.
川崎フロンターレは,どれだけの準備をしているのだろうか.






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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.

2021年3月14日日曜日

間で受けたら素早くいこう 2021年 第5節 川崎フロンターレ 対 柏レイソル

柏レイソルの4-4-2の守備は見事でした.

けど,これくらいが当たり前になってほしいです.

川崎フロンターレは,ディフェンスラインの間で受けて,そこから素早く攻めて崩していました.

事前の準備はバッチリのようです.


川崎フロンターレは4-3-3.

柏レイソルは4-2-3ー1.引いて守るときは4-4-2.




しっかりと準備してきた柏レイソル

前半21分.
左から右に攻める川崎フロンターレ.


リスタートから田中がボールを運び,右サイドの山根へパスを通す.
山根は前を向いて良い姿勢でボールを受ける.
それをみて,柏レイソルのサイドバックはゴール方向へ下がる.
サイドハーフは,勢いよく山根へプレスに戻る.


山根は中央でフリーになった脇坂へパス.
しかし,柏レイソルのボランチが,これまた勢いよくプレスバック.
ゆっくりとはキープさせてくれない.

脇坂は下がりながら,うまくボランチをかわして逆サイドの長谷川へ.

ここでも柏レイソルのサイドバックはゴール方向へ下がり,サイドハーフも勢いよく戻る.
サイドハーフが戻ってくれるため,サイドバックは前に出る必要がない.
その結果,センターバックはゴール前に留まることができる.

ここから長谷川はゴール前にクロスをあげる.

しかし,ゴール前にはセンターバック二人とサイドバック一人が待ち構えている.
川崎フロンターレは,家長と小林の二人がゴール前にいる.
2対3で数的に不利.

川崎フロンターレのこの攻撃は,右サイドの山根から始まって,左サイドの長谷川がクロスをファーサイドにあげている.
右,左,右と振られているにも関わらず,柏レイソルの守備は崩れていない.

3節のベガルタ仙台では,けっこう簡単にゴール前で2対2の状況を作れていた.
柏レイソルは,しっかりと準備をしてきた.

ディフェンスラインの間で受けて素早く攻める

後半の58分.
右から左に攻める川崎フロンターレ.

車屋からディフェンスラインの間に入った三笘へパス.
三笘は前を向きながらボールを受けて加速する.
柏レイソルのボランチはプレスバックするが,間に合わず.

後半の64分.

車屋からディフェンスラインの間に走りこむ橘田へパス.
橘田は前に走りながらこのパスを受ける.
柏レイソルのボランチはプレスバックするが,前を向いてボールを受けたので橘田は少し余裕をもってプレーできる.

このように,ディフェンスラインの間に入って前を向いてパスを受けられると崩せる.
ただ,パスを受ける選手の能力以上に,パスを出す選手の能力が求められる.
タイミングよくディフェンスラインの間に入った選手を見つけて,サイドハーフとボランチの間を通す必要がある.
車屋はそれを難なくこなしている.
素晴らしい.


今後,4バックのチームは,柏レイソルの守備のやり方を踏襲してくる可能性が高い.
そのときに,ディフェンスラインの間で受けることは非常に重要になってくる.


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2021年3月7日日曜日

センターバックを狙い撃ち 2021年 第3節 川崎フロンターレ 対 ベガルタ仙台

快勝でした.

川崎フロンターレの狙いは,「ボールサイドのセンターバックを釣りだして,ゴール前で2対2の状況をつくる」でした.

昨年度から引き続き行っている戦い方です.

仙台はまったく対応できていませんでした.


川崎フロンターレは4-3-3.

ベガルタ仙台は4-2-3ー1.引いて守るときは4-4-2.




センターバックをどっちつかずの状況に追い込む

前半22分.
右から左に攻める川崎フロンターレ.


右サイドで田中がボールを保持している.
ゴール前をみると,小林と長谷川にそれそれセンターバックとサイドバックがついている.
ボール側のセンターバックは,小林の前にいる.
この状態でセンターリングをあげても厳しい.

田中は,ボールを保持しつつ,相手を引き付ける.
サイドバックが寄ってきて,空いたスペースに山根が入り込む.

田中は山根にパスを出さず,シミッチに戻す.
このとき,山根はその場にゆっくりととどまる.
山根についてきたボランチは前に行くので,センターバックは山根のほうに寄る.
その結果,ゴール前では小林と長谷川がゴール前で2対2となる.
シミッチはそれをみてクロスをあげる.

センターバックはできるだけゴール前にとどまりたい.

しかし,とどまり続けると,それはそれで狙われる.

前半の38分.

サイドチェンジ後に,遠野がドリブルで右サイドを前進する.
ベガルタ仙台のセンターバック二人は,小林周辺でとどまっている.

それを見た桶田がセンターバックとサイドバックの間に走りこむ.


遠野から戻されたボールを,山根はダイレクトでセンターバックとサイドバックの間に出す.
ボールを受けた桶田は,うまくセンターバックをかわして,クロス.
4点目.

この場面,ベガルタ仙台のセンターバックの反応は,決して遅かったわけではない.

ベガルタ仙台のセンターバックは,とどまると前にあるサイドバックとの間のスペースを使われる.
その間を埋めると,今度はクロスをあげられてゴール前で2対2を作られる.
ベガルタ仙台のセンターバックは,難しい選択を絶えず迫られていた.

川崎フロンターレは,このような仕掛けを両サイドで行っていた.
小林を中心として機動力の高い長谷川と遠野.
非常に魅力的な組み合わせだった.


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