概要
エドゥと大島が戻ってきた.その効果が出ている,ビルドアップ後の①最終ラインからの仕掛けを見ていく.
その後,中央でボールホルダーが前を向いたときの②前線3枚の動きについて見ていく.
布陣
川崎フロンターレは,4-2-3-1,アルビレックス新潟は4-4-2.川崎フロンターレの前線4枚は,時間によってポジションを入れ替えていた.
最終ラインからの仕掛け
左図は,エドゥがボールを保持しているところ.
アルビレックス新潟のサイドハーフが寄ってきていて,ボランチもサイドに詰めてきている.
車屋には,アルビレックス新潟のサイドバックがしっかり付いている.
ここからエドゥは,サイドに出す態勢で,中央の大島に出す.
その結果,右図に示すように,アルビレックス新潟のサイドハーフとボランチは見事に裏を取られる.
エドゥの一本のパスで,サイドハーフとボランチを無効にすることができた.
なかなか素晴らしい.
この後,大島は食らい付いてきたボランチの裏にパスを通す.
エドゥと大島の2本のパスで,アルビレックス新潟の中盤を無効にした.
続いて,谷口.前半の11分頃.
図は谷口が,アルビレックス新潟のボランチとサイドハーフの間を通したところ.
アルビレックス新潟のボランチは,ハイネルに釣られてボールと逆向きに動いている.
谷口のパス一本で,アルビレックス新潟のサイドハーフとボランチを置き去りにできている.
この後,大島に食らい付いてきたボランチを躱せれば,かなり大きなチャンスにつながる.
非常に良い.
谷口は,やはり右センターバックの方が良いのだろう.
右ではなく左センターバックに入った場合には,かなりパスカットをされることが多かったように思う.
エドゥと谷口について見たが,どちらの場合もパスの受け手は大島.
さすが.
ついでにもう一つ.
以前,川崎フロンターレ VS 清水エスパルス -攻撃の起点は誰なのか-において,ネットが,センターバックの間に降りることに拘りすぎだとコメントした.
その拘りは,解れた様子.
左図は前半9分,右図は前半24分の場面.
それぞれ,ネットは左サイドバックの位置と右サイドバックの位置に降りている.
今までみたいに,なんとしてでも中央に降りるということは無くなったように思う.
チームとして対応したのか,エドゥが戻ってきたからなのか分からないが,最終ラインからの組み立てと仕掛けはスムーズになったように思う.
単調な前線3人の動き
中盤でボールホルダーが前を向いたときの,前線3人の動きについて見た.
川崎フロンターレは,相手のディフェンスラインに3人の攻撃の選手を配置することが多い.
その3人の動きに,もう一工夫必要な気がする.
前半の24分.
ハイネルがボールを持って,前を向いている.
相手の選手がハイネルの前にいるが,ハイネルはここからでもパスを出せる.
このとき前線の3人は,3人ともディフェンスラインと中央のラインの間でボールを受けようとしている.
足下でボールを受けたがっている.
3人とも同じ動きなので,守備をするには楽である.
この後,ハイネルは阿部とワンツーで中央に侵入する.
ワンツーは見事に通るのだが,相手も味方も密集していて,まともなシュートを打つに至ってない.
もし,ハイネルがボールを持って前を向いたときに,3人のうち誰かが裏に抜けていれば,ここまで密集しなかった可能性はある.
裏に抜ける動きがあれば,当然ディフェンスは下がらざるを得ない.
そうすれば,ディフェンスラインと中央のラインの間が少し空く.
そのような場面もなかった訳ではない.
前半17分頃.
大島が前を向いてボールを持っているところ.
前線の3人は,ハイネル,小林と阿部.
小林は裏に抜けて,ハイネルは足下で貰うため少し降りている.
ディフェンスラインは,小林に釣られて裏に下がる.
そのため,ハイネルが受けるスペースは広がる.
この後,大島は小林にパスを出す.
小林はオフサイドになったが,ディフェンスラインを揺さぶることはできている.
このように前線が動いてくれれば,大島は裏に出すと見せかけて足下へ,足下へ出すと見せかけて裏へといったことができる.
相手の守備を一つのプレーに絞らせないことができる.
全員が同じ動きをしていたら,相手のブロックを崩すのは厳しい.
もっと駆け引きをする必要があると思う.
川崎フロンターレは,相手のディフェンスラインに3人の攻撃の選手を配置することが多い.
その3人の動きに,もう一工夫必要な気がする.
前半の24分.
ハイネルがボールを持って,前を向いている.
相手の選手がハイネルの前にいるが,ハイネルはここからでもパスを出せる.
このとき前線の3人は,3人ともディフェンスラインと中央のラインの間でボールを受けようとしている.
足下でボールを受けたがっている.
3人とも同じ動きなので,守備をするには楽である.
この後,ハイネルは阿部とワンツーで中央に侵入する.
ワンツーは見事に通るのだが,相手も味方も密集していて,まともなシュートを打つに至ってない.
もし,ハイネルがボールを持って前を向いたときに,3人のうち誰かが裏に抜けていれば,ここまで密集しなかった可能性はある.
裏に抜ける動きがあれば,当然ディフェンスは下がらざるを得ない.
そうすれば,ディフェンスラインと中央のラインの間が少し空く.
そのような場面もなかった訳ではない.
前半17分頃.
大島が前を向いてボールを持っているところ.
前線の3人は,ハイネル,小林と阿部.
小林は裏に抜けて,ハイネルは足下で貰うため少し降りている.
ディフェンスラインは,小林に釣られて裏に下がる.
そのため,ハイネルが受けるスペースは広がる.
この後,大島は小林にパスを出す.
小林はオフサイドになったが,ディフェンスラインを揺さぶることはできている.
このように前線が動いてくれれば,大島は裏に出すと見せかけて足下へ,足下へ出すと見せかけて裏へといったことができる.
相手の守備を一つのプレーに絞らせないことができる.
全員が同じ動きをしていたら,相手のブロックを崩すのは厳しい.
もっと駆け引きをする必要があると思う.