2017年8月20日日曜日

川崎フロンターレ VS コンサドーレ札幌 -増えた勝負パス-

概要


予定通りコンサドーレ札幌は,5-4-1で守ってきた.

引いて守る相手の守備を川崎フロンターレがどう攻めるか,アウェイで行われた第7節のコンサドーレ札幌戦と比較した.

ペナルティーエリア内へのパスは,第7節の4本から13本へと増えた.

このパスが増えた要因は,大島の存在が大きい.

布陣


川崎フロンターレは,4-2-3-1,コンサドーレ札幌は守備の時5-4-1.




ラストパスの数と出所


コンサドーレ札幌は,5-4-1と引いて守備をしてくる.
その相手に,どうやって崩すかが問題である.

前回の記事では,押し込んだ後の攻め方として,ラストパスの数と出所をマンチェスターCと比較した.

ラストパスは,以下の条件を満たすように数えた.

1.セットオフェンス時のパスであること.
2.ペナルティーエリア内に居る(または走り込んでいる)選手へ向けたパスであること.
3.シュートに結びつかなくても,1.と2.を満たしていれば数える.
4.カウンターにおける攻撃の時は考慮しない.
5.コーナーキックは数えない.

第7節のコンサドーレ札幌戦において,前半のラストパスの本数はたったの4本だった.

今回の第23節では13本.約3倍に増えた.

このパスの数は,マンチェスターCの19本と比べても遜色ない.

以下の図は,第7節と第23節の比較になる.
左図が第7節,右図が第23節である.
第23節に関しては,パスの出しても記載した.




第23節のラストパスは,大きく分けて,以下の4つの種類に分けられる.

1.大島から,ディフェンスラインの裏へのスルーパス
2.右サイドを突破して,中央に出すクロス
3.車屋からのクロス
4.ネットから,ディフェンスラインの裏へのスルーパス

1.は先制点につながっている.
2.は川崎フロンターレのパス回しが十分に成功していることを示していると思う.
しかし,クロスをあげるのが小林だというのは疑問がある.
小林にはフィニッシュを決めて欲しい.

まあ,後半には登里のクロスから追加点を決めているが.

大島の存在は大きい.
大島は,ビルドアップをスムーズにするだけでなく,勝負のパスも出すことができる.
ちなみに,第7節のコンサドーレ札幌戦に,大島は不在である.

今後,ラストパスを増やしていくためには,ボール回しをもっと早くする必要がある.
パスの出す場所が無いことを,ボールを止めて確認し逆サイドに振る,ということが多々あった.
もっと判断を速くして,ボールを大きく動かし欲しい.


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2017年8月18日金曜日

押し込んだ後の攻め方

概要


次節のコンサドーレ札幌は,自陣に引いて5-4-1で守ってくると思われる.
自陣に思いっきり引いた相手に対して,どうやって攻めるか海外のチームと比較をしてみた.

ラストパスの出所

 

プレミアリーグ 第1節 ブライトンVSマンチェスターC.
ブライトンは4-4-2で自陣に徹底的に引きこもる.
この引きこもった相手に対して,マンチェスターCがどう攻めるのかを見た.

攻め方を見るために,勝負のラストパスが何処から出されるのか数えてみた.

今回のラストパスは,以下の条件を満たすように数えた.

1.セットオフェンス時のパスであること.
2.ペナルティーエリア内に居る(または走り込んでいる)選手へ向けたパスであること.
3.シュートに結びつかなくても,1.と2.を満たしていれば数える.
4.カウンターにおける攻撃の時は考慮しない.
5.コーナーキックは数えない.



ラストパスは,前半だけで19回出ていた.
パスが出た場所は,以下の図の赤丸に示した.



ラストパスが出された場所は,図の黒丸に示すように3つの領域に分けられる.

1は,ペナルティーエリア脇からのクロス.
車屋や登里がサイドを抉って出すラストパスのイメージである.

2は,中央付近からディフェンスラインの裏へ走るフォワードへ,グランダーのスルーパスが2本くらい.
中村憲剛が出すスルーパスに似ている.




最後に,一番本数の多い3は,裏に走り込むフォワードへ出す浮き球(またはクロス?).



パスの出し手が前を向いた瞬間にフォワードが裏に走る.
そこへグランダーでは無く浮いたボールでパスを出す.

ディフェンスラインとゴールラインの間は非常に狭いが,そこを狙ったパス.

川崎フロンターレでは,ほとんど見かけないパス.
たまに,ネットから長谷川へ出るパスが近いかもしれない.
ただ,ネットから長谷川へのパスは,もっとディフェンスラインとゴールラインが離れていたときだった気がする.



さて,このようなラストパスを,川崎フロンターレはどれくらい出しているのか数えてみた.

対象とした試合は,第7節のコンサドーレ札幌戦の前半.




・・・・.前半通して4回だけ.
マンチェスターCの19回と比べると,かなり少ない.

まあ,第7節あたりは怪我人多発でかなり苦労していた時期である.
その頃からすると,だいぶ改善していると思われる.

ちなみに,マンチェスターCは,19回もラストパスを出すほど圧倒したにも関わらず,前半無得点である.

川崎フロンターレは,もっともっと攻めて良い.

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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.

2017年8月14日月曜日

川崎フロンターレ VS 鹿島アントラーズ ー爽快なダメ押し点ー

概要


首位の鹿島に快勝.
ダメ押しとなる家長の得点までの流れが,非常に爽快だった.
ついでに,セットオフェンスでの危険なプレーを見ていきたい.


布陣

川崎フロンターレは,4-2-3-1,鹿島アントラーズは4-4-2.




爽快なダメ押し点


右にあるゴールを守る川崎フロンターレ.
場面は70分ころ.
中央付近でハイネルと鹿島の選手が競り合い,お互いに頭をぶつけて倒れているところ.


ネットは,すかさず外にボールを出せとアピール.
その一方で,鹿島の9番はクロスを要求.
頭をぶつけてお互いに倒れているのだから,安全のためにも試合は止めるべき.



ボールは鹿島の30番に渡る.
ハイネルを心配そうに見るネット.
奈良も外に出すようにアピール.
相変わらずクロスを要求する鹿島9番.



しれっとドリブルで前進する鹿島30番.
ぶち切れてスライディングで止めるネット.



こぼれ球を大島が拾う.
大島は,試合を止めるためにボールをピッチ外に蹴り出す.
奈良もボールを出すように言っているのがわかる.

その後,中村に代えて小林が入ってきてスローインから開始するのだが・・・.



ボールを戻す気が全くない鹿島の選手たち.
怒る奈良とネット.

ボールをピッチ外に出したのは,選手交代のためでは無く,頭を打った選手の治療のため.
普通はボールを戻す.




スローインに対して,家長,大島,ハイネルの3人で強襲し奪い返す.
・・・やはり怒っているのか.



そのまま一気にカウンターで家長のフィニッシュ.

・・・かなり爽快.
しかも決めたのが家長.
素晴らしい.

しかし,気になるのは頭をぶつけて倒れたときの対応.
脳しんとうの可能性がある.
頭以外の部分であれば,倒れていても審判が止めない限り進めてよいとは思う.
しかし,頭をぶつけてお互いに倒れているのだから.

ルール的には,どうなっているかというと2016年以降に適用されている「競技中、選手に脳振盪の疑いが生じた場合の対応【サッカー日本代表、Jリーグ対象】」に記載があった.

競技中、選手が頭頸部を強く打ったと主審が判断した場合、主審はすみやかに当該選手のチームドクターをピッチ内に呼び、チームドクターは診断をする。主審の判断、またはチームドクターからの要請を受けた主審からの合図により、ハードボードの担架を適宜ピッチに入れる。
サッカーファミリー メディカルインフォメーションより引用
http://www.jfa.jp/football_family/medical/b10.html

強く打ったと主審が判断しなかったのかもしれない.
しかし,川崎フロンターレの選手だけで無く,競り合った鹿島アントラーズの選手も倒れている.
だから試合は止めるべきだったと思う.
さらに,大島が試合を止めるためにボールをピッチ外に意図的に出したことすら無視されている.
主審の判断にも疑問がある.

何にしても,一連のプレーで大きなけが人が無くよかった.



セットオフェンスでの危険なプレー


首位の鹿島が相手であるにもかかわらず,いつも通りのパス回しを行えた.
その崩しの中で危険なプレーがあったので,見ていきたい.

前半の39分.
左から右に攻める川崎フロンターレ.
鹿島の選手全員を,自陣に押し込んだ状態.



家長から中村になかなか見事な縦パスが入る.
中村は,ここまでに至る動きも見事で,プレスがかからない状態でパスを受けることができている.



それを見て,前にスプリントする家長と大島.
・・・二人同時にというのが,かなりリスクが大きい.

パスアンドゴーは,基本である.
しかし,ネットのいつものプレーを見て分かるようにリスクは大きい.
もちろん,通ればかなりのチャンスになるが.

さらに,ここでは家長のパスアンドゴーだけでなく,大島も前にスプリントしている.
大島と家長のいた場所は誰もいなくなり,途中でボールを取られたら,容易くゴール前までボールを運ばれる.

案の定,中村からのパスが鹿島の選手に引っかかり,決定機まで持って行かれている.

二人同時に前にスプリントするのは,チャンスにつながる.
しかし,リスクが大きいのを忘れてはならない.

今の場面だったら,
① 中村は大島の裏に入る
② 車屋は家長の裏に入る
といった対応が考えられる.
せめて,①だけでも必要かと思う.


首位の鹿島相手に,いつも通りのプレーをできて,さらに改善点もある.
今後がさらに楽しみになった一戦だった.


余談.
後半61分.選手交代で鹿島の30番が出てきた場面.
DAZNでは確認できなかったが,NHKでは副審の隣で指示を出す菊池新吉コーチの姿が映っていた.
交代で入る30番を警戒せよ!という指示だったのだろうか?
選手交代のボードが出ている真横で指示を出すコーチ.
なかなか珍しい場面だった.



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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.

2017年5月6日土曜日

川崎フロンターレ VS アルビレックス新潟 -柔軟になった最終ラインからの仕掛け-

概要

エドゥと大島が戻ってきた.

その効果が出ている,ビルドアップ後の①最終ラインからの仕掛けを見ていく.

その後,中央でボールホルダーが前を向いたときの②前線3枚の動きについて見ていく.

布陣

川崎フロンターレは,4-2-3-1,アルビレックス新潟は4-4-2.
川崎フロンターレの前線4枚は,時間によってポジションを入れ替えていた.



最終ラインからの仕掛け

エドゥが復帰したため,センターバックの左にエドゥ,右に谷口が入った.
その効果を以下で見ていく.

まず,エドゥ.前半の3分くらい.
左から右へ攻める川崎フロンターレ.


左図は,エドゥがボールを保持しているところ.

アルビレックス新潟のサイドハーフが寄ってきていて,ボランチもサイドに詰めてきている.
車屋には,アルビレックス新潟のサイドバックがしっかり付いている.

ここからエドゥは,サイドに出す態勢で,中央の大島に出す

その結果,右図に示すように,アルビレックス新潟のサイドハーフとボランチは見事に裏を取られる.

エドゥの一本のパスで,サイドハーフとボランチを無効にすることができた.
なかなか素晴らしい.

この後,大島は食らい付いてきたボランチの裏にパスを通す.
エドゥと大島の2本のパスで,アルビレックス新潟の中盤を無効にした.


続いて,谷口.前半の11分頃.



図は谷口が,アルビレックス新潟のボランチとサイドハーフの間を通したところ.
アルビレックス新潟のボランチは,ハイネルに釣られてボールと逆向きに動いている.

谷口のパス一本で,アルビレックス新潟のサイドハーフとボランチを置き去りにできている.
この後,大島に食らい付いてきたボランチを躱せれば,かなり大きなチャンスにつながる.

非常に良い.

谷口は,やはり右センターバックの方が良いのだろう.
右ではなく左センターバックに入った場合には,かなりパスカットをされることが多かったように思う.


エドゥと谷口について見たが,どちらの場合もパスの受け手は大島.
さすが.


ついでにもう一つ.
以前,川崎フロンターレ VS 清水エスパルス -攻撃の起点は誰なのか-において,ネットが,センターバックの間に降りることに拘りすぎだとコメントした.
その拘りは,解れた様子.



左図は前半9分,右図は前半24分の場面.
それぞれ,ネットは左サイドバックの位置と右サイドバックの位置に降りている.

今までみたいに,なんとしてでも中央に降りるということは無くなったように思う.

チームとして対応したのか,エドゥが戻ってきたからなのか分からないが,最終ラインからの組み立てと仕掛けはスムーズになったように思う.

単調な前線3人の動き

中盤でボールホルダーが前を向いたときの,前線3人の動きについて見た.

川崎フロンターレは,相手のディフェンスラインに3人の攻撃の選手を配置することが多い.
その3人の動きに,もう一工夫必要な気がする.

前半の24分.


ハイネルがボールを持って,前を向いている.
相手の選手がハイネルの前にいるが,ハイネルはここからでもパスを出せる.

このとき前線の3人は,3人ともディフェンスラインと中央のラインの間でボールを受けようとしている.
足下でボールを受けたがっている.

3人とも同じ動きなので,守備をするには楽である.

この後,ハイネルは阿部とワンツーで中央に侵入する.
ワンツーは見事に通るのだが,相手も味方も密集していて,まともなシュートを打つに至ってない.

もし,ハイネルがボールを持って前を向いたときに,3人のうち誰かが裏に抜けていれば,ここまで密集しなかった可能性はある.
裏に抜ける動きがあれば,当然ディフェンスは下がらざるを得ない.
そうすれば,ディフェンスラインと中央のラインの間が少し空く.

そのような場面もなかった訳ではない.

前半17分頃.



大島が前を向いてボールを持っているところ.
前線の3人は,ハイネル,小林と阿部.

小林は裏に抜けて,ハイネルは足下で貰うため少し降りている.
ディフェンスラインは,小林に釣られて裏に下がる.
そのため,ハイネルが受けるスペースは広がる.

この後,大島は小林にパスを出す.
小林はオフサイドになったが,ディフェンスラインを揺さぶることはできている.

このように前線が動いてくれれば,大島は裏に出すと見せかけて足下へ,足下へ出すと見せかけて裏へといったことができる.
相手の守備を一つのプレーに絞らせないことができる.

全員が同じ動きをしていたら,相手のブロックを崩すのは厳しい.
もっと駆け引きをする必要があると思う.

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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.

2017年4月30日日曜日

セレッソ大阪 VS 川崎フロンターレ -意図的なハンド-

後半86分.
2失点目につながる場面.



セレッソ大阪のゴールキーパーからのロングキックを,谷口とセレッソ大阪の9番が競っていることろ.

左図をみるとわかるように,ハンドである.
左図だと,谷口を押さえる手が偶然当たったように見えなくもない.

しかし,それは右図の別のカメラから見ると,違うのが分かる.
9番の身体の中心とボールの落下地点がずれている.
谷口の身体に9番の右手は触れていない.
図からは分からないが,右手はボールが落下する直前に出てきていた.

明確に意図を持ってハンドを行っている.

この後,こぼれ球を拾われて失点する.

審判にはハンドのファールをとって欲しかったが,審判が悪いわけでもない.

悪いのはセレッソ大阪の9番ただ1人である.
審判にばれなければ良いという気持ちは,サッカーの価値を著しく貶める.

非常に哀しい.

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2017年4月26日水曜日

川崎フロンターレ VS 清水エスパルス -攻撃の起点は誰なのか-

概要


押し込んでからの崩し方,および攻撃の起点は誰であるべきなのか考えてみた.

押し込んでからの攻撃


前半の13分.
左から右に攻める川崎フロンターレ.



左サイドで車屋がボールを保持している.
清水エスパルスはボールサイドに寄せて,全員で4-4-2のブロックを形成している.

ここまで寄せられていると,崩すのは辛いのでサイドチェンジ.


谷口を経由して中村,ネットとボールが渡っている最中.

中村がボールを受けたタイミングで,三好が清水エスパルスのサイドハーフとボランチの間に入ってきている.
この動きにより,清水エスパルスのサイドハーフが三好に気を取られて中に絞っている


ネットはそのままサイドの登里へ.
出来上がったのがこの場面.

三好が気を引いてくれたため,清水エスパルスのサイドハーフは登里へ間に合っていない
登里にプレスに来たのは清水エスパルスのサイドバック.

サイドバックの登里に対して,サイドバックがプレスに来ている.
チャンスである.
しかも,三好は,清水エスパルスのサイドバックの裏にしっかりと走り込んでいる.
三好は,サイドバックの裏にスペースを作るべく動いていたのだろう.良い.

サイドチェンジをしたばかりなので,スペースはかなりある.
三好のケアには,清水のボランチまたはセンターバックが出てくるが,どちらが出てきても構わない.
サイドハーフとサイドバックを置き去りに出来た段階でかなり良い崩しになっている.


・・・・けど,普通にネットに戻すんだ.
まあ,登里は普段左サイドで,今回はいろいろな事情の元で右サイドにいるから..
タッチライン上へのパスは出しにくいのかもしれない.
・・・けっこう空いていたけどね.

清水エスパルスのサイドバックがサイドで前に出たということは,逆サイドの奥(図の緑)が空く.
しかも,川崎フロンターレの選手は3人も残っている.
さらに,ネットも十分に余裕を持ってボールを持っている.
大きくサイドチェンジだね?


・・・普通に細かくつないでた.
それで谷口が大きく前にトラップして,その勢いで図の緑の場所へスルーパスを出す.
トラップやボールの蹴り方でパスのだしどころは分かりやすく,清水エスパルスのサイドバックがパスカット.
そのままカウンターを喰らい,失点.

もちろんパスが通ればチャンスにはなる.
しかし,なぜ谷口にあのようなリスクの大きいパスを出させるのか.
谷口は,この時間の前にも少なくとも2本,ビルドアップの段階でパスカットされている.

谷口は,センターバックでみると足下が上手い方ではある.
けど,ボランチとしてみたら,そうでもない.
スルーパスをズバズバと通せるとは思えないのだが.

余談にはなるが,この一連の攻撃で右センターバックの奈良はボールに関与していない
ボランチが2人ともディフェンスラインに落ちていたので,関与する余地がなかった.
無駄がある.

守備の時に4-4-2の布陣を引いてくる相手は,やはり多い.
何処のポジションの選手が出てきていて,何処が空いているのかしっかり見極めて攻撃して欲しい.

両センターバックが起点?


川崎フロンターレは,ボランチを1人センターバックの間に落とし,3バックで攻撃を組み立てる事が多い.
相手が4-4-2だとしたら,川崎フロンターレは3バックの誰かが空く.

基本的に相手の守備は中央を固めるので,3バックの両脇の選手のどちらかが空く.
従って,空くのは左の谷口,または右の奈良になる.


チームとして,この2人のどちらかに攻撃の起点にするので良いのだろうか.


今回の清水エスパルス戦で,谷口はパスカットを何回かされ,その一回は失点につながっている.
本来だったら攻撃の起点になれるボランチを,センターバックの間に落とす意味はあるのだろうか.
最終ラインからロングボールを出さないのなら,ボランチはサイドで攻撃の起点になるのが良いかと思う.

実際,中村はこの試合でも何回か3バックのサイドの位置に入り,攻撃を組み立てようとしていた.

中村は臨機応変に対応できていたというべきか,ネットは指示を忠実に遂行していたというべきか分からないが.
いずれにしろ,押し込んだ後の攻撃も,まだまだやるべき事はたくさんありそう.




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2017年4月23日日曜日

川崎フロンターレ VS 清水エスパルス -ボランチの役割-

概要

攻撃の時,相手自陣に押し込んだあとの,ボランチの役割がわからない.
特にネット.
明確な答えは無いのかもしれないが,気づいた問題点を整理してみた.

布陣

川崎フロンターレの布陣は4-2-3-1で,清水エスパルスは4-4-2.
清水エスパルスのフォワード2人は,かなりしっかりと守備もするため,なかなか崩すのが難しい.




攻撃におけるボランチの役割

前半の4分くらい.
左から右へ攻める川崎フロンターレ.



前線からボールをネットまで戻したところ.

川崎フロンターレは,ネットをセンターバックの間に落とすことがおおい.
この位置にネットを落とす意味がわからなくなってきた.

ネットを落とす意味は,以下の3つだと思っていた.

① 縦パスを通せる.
② 中央からサイドバックまでサイドチェンジのパスを一気に通せる.
③ ①と②を織り交ぜることにより,相手の守備の狙いを曖昧にさせる.

特にネットは,キックフェイントなどで③が上手くできる.
しかし,今回の清水エスパルス戦で,ネットによる大きなサイドチェンジは前半45分の間で1度しかなかった
その結果,清水エスパルスは守備の狙いを絞れて守りやすかったのではないかと思う.

以下,確認していく.



先ほどの場面から,右サイド奥にボールが行き,再びネットまで戻ってきたところ.

ネットは逆サイドの車屋めがけてロングボールを蹴ろうとしている.
それに合わせて,清水のサイドバックとサイドハーフが車屋の方へ詰めている.
川崎フロンターレの方では,阿部が裏に抜けている.

阿倍の進む向きと清水のサイドバックとサイドハーフの向きが異なるので,なかなか良い場面

この後,ネットは清水の動きを警戒してロングボールを蹴らなかった.
しかし,こういった場面を何度も作って,清水エスパルスの守備を揺さぶりたい.

だが,ネットは大きなサイドチェンジを前半45分の間で1度しかしなかった.
その結果どうなったかというと,以下のようになる.



前半の30分.
右サイド奥から,ネットにボールが渡り,ネットが前を向いてドリブルしている場面.
ネットは勢いよく振りかぶるのだが,清水のサイドハーフとサイドバックは中しか見ていない.
逆サイドの車屋は無視.
車屋にまで蹴られる可能性を一切考慮していない.

もちろん前半4分のときと比べて,清水の選手の位置は異なる.
しかし,外への意識は全然なさそうに見える.

まあ,この後,ネットは三好まで縦パスを通すんだけどね.
清水エスパルスの選手は密集しているから,その後がなかなか続かない.

攻撃が単調すぎて,守備する側としては狙いを絞り易い


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2017年4月10日月曜日

川崎フロンターレ VS ヴァンフォーレ甲府 -ボランチの攻撃とサイドバックの役割-

概要

前半15分ほどを頑張って見た.

①布陣,②ボランチの攻撃時における位置,③サイドバックの役割を担う選手について見ていく.
特に②のボランチの位置については,得点不足につながっているような気がする.

布陣


川崎フロンターレは3-4-3で,ヴァンフォーレ甲府の布陣は3-5-2.




ボランチの攻撃時の位置

前半の3分くらい.



セットオフェンスから,左サイドを突破して長谷川がクロスを上げた場面.
クロスの先は,小林とハイネルの2人だけ.
ウイングバックのハイネルが上がっているのは立派なのだが,それでも2人しか居ない.
この後,ハイネルとゴールキーパーが競り合って,バイタルエリアにゴールがこぼれるが,後続が無いため単発の攻撃に終わる.

このような感じで,サイドを崩して突破したとしても,クロスの先は2人.
後続も無く単発で終わるような場面が15分の間に2回あった.


もう1人,クロスの先に追加するとしたら,トップ下の中村またはボランチのネットか森谷のどちらかになる.

これらの選手がどこに居るかというと,時間を少し戻して崩す直前.



中村は崩しに参加している.
一方,森谷とネットは後ろでサポートするような位置に居る.

クロスの先に厚みを増すためには,森谷はネットが居る位置に,ネットはもう一列前に居ないといけない.
車屋の後ろには,谷口と奈良が居るのでなんとかならないだろうか.


サイドバックの役割を担う選手


セットオフェンスのとき,川崎フロンターレはボランチの選手を一枚下げて,両サイドの選手を押し上げる.
押し上げられた選手は,サイドの攻撃の起点となる.

ボランチを一枚下げるのは,4バックの時によくあるやり方.
しかし,川崎フロンターレは3バックでもボランチを一枚下げる.
このとき,今の川崎フロンターレの布陣だと,押し上げられるのは車屋と奈良になる.

車屋は,問題ないが奈良が攻撃の起点になれるのか疑問がある.
例えば,前半の3分のセットオフェンス.



車屋は,目の前に相手が居るにもかかわらず,その裏にズバッとパスを通すことが出来る.
セットオフェンスのときは,このようなパスを出せることが攻撃の起点として重要である.

奈良はこのような攻撃の起点になれるのだろうか.
そもそも,こういった役割を奈良に割り当てるべきか疑問がある.
まあ,けが人続出でどうしょうもないのかもしれないが..

それでも,やりようはある.
ボランチが降りたときに,奈良は押し出さなければ良いだけ.
何も絶えず左右対称に選手の動きを組み立てる必要は無い.

けど,3バックでさらにボランチを降ろすメリットはあるのか改めて考えて欲しい.
最終ラインでネットがする仕事は,谷口がすれば良いだけでは無いのか?


セットオフェンスのときの,最初と最後でボランチの位置が中途半端な気がする.
どうなのだろうか.


余談.
プレビューで狙い所とした40番は,終了間際になってようやく足をつっていた.
ギリギリ耐えられてしまったか....


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2017年4月7日金曜日

第6節 川崎フロンターレVSヴァンフォーレ甲府 プレビュー

川崎フロンターレ VS ヴァンフォーレ甲府 

プレビュー 


8日に行われるヴァンフォーレ甲府戦のために,第4節のヴァンフォーレ甲府VSコンサドーレ札幌を見た.
①布陣,②フォワード2人の守備,③サイドの守備,④狙い所を見ていく.

布陣


第4節のヴァンフォーレ甲府の布陣は3-5-2.




守備をほぼしないフォワード2人


前半4分.
右から左へ攻めるコンサドーレ札幌.それを引いて迎え撃つヴァンフォーレ甲府.



ボールは,コンサドーレ札幌のセンターバックからサイドに開いた選手に渡ったところ.
ヴァンフォーレ甲府は,3センターの40番が前に出てボールへアプローチをしている.

図から分かるように,ヴァンフォーレ甲府のフォワードは,ボール側へ寄せる気が無い
特に9番は中心付近に居て,ボランチさえ見ていればOKみたいな雰囲気がある.

もう1人のフォワードの11番は,ボールサイドにはアプローチするが,逆サイドの時にはさすがに追わない.

ヴァンフォーレ甲府は,5バックでミッドフィルダーが3枚.
したがって,中央の守りが薄くなるので,普通は前線のサポートが入るのだが..


より顕著なのが以下の場面.



前半19分.
コンサドーレ札幌がボールを後ろに下げ,それを追ってヴァンフォーレ甲府が前に出てきているところ.


コンサドーレ札幌のセンターバックから,サイドに開いた選手にパスが渡る.
このとき,逆サイドの40番は札幌のボランチにめがけてプレスをかける.


コンサドーレ札幌は,よく見ていて,狙われているボランチには出さずにセンターバックを経由してサイドチェンジ.
ヴァンフォーレ甲府は,逆サイドの40番までプレスに来ているのだから,サイドチェンジはさせない,せめて遅らせる必要がある.
それを担うのはフォワードだが・・・・9番は動かず.

必死で戻る40番.
このときの40番の手の動きを見ると,9番を抑えるようにしている.
これは,9番はチームとして守備をほとんど免除されているということなのかな?



40番は戻るけど,そうそう追いつけず,あっさりとここまで侵入を許す.

このように,ヴァンフォーレ甲府のフォワード,特に9番は守備をしない
また,もう1人のフォワード11番も,ボールサイドの時はプレスにそれなりに行く.
しかし,11番は9番を超えてプレスに行くことは無い


サイドの守備


ヴァンフォーレ甲府のフォワードの2人は,中央付近にとどまることが多い.
従って,サイドでの守備が手薄になる.
その例が,以下の場面.


ビルドアップするコンサドーレ札幌.
コンサドーレ札幌の選手が降りて,それに釣られて40番が前に出てくる.


そのうらにズバッとパスが通る.
ヴァンフォーレ甲府のフォワードの守備が非常に緩いので,40番が釣り出されるのはしょうが無い.
しかし,釣り出された裏のケアは全く出来ていない様子.
狙い目である.
この後,40番はしっかりとプレスバックはしていた.

話は変わるが,このときボールを受けたのはコンサドーレ札幌フォワードの都倉.
・・・・・川崎フロンターレでセンターフォワードとして成長して貰うという方法はなかったのだろうか..
このようなパスを受けて,しっかり前を向くプレーも出来ているのだし...


ヴァンフォーレ甲府の狙い所


以上を念頭に,ヴァンフォーレ甲府の狙い所を考える.

まずは,フォワードがプレスにあまり来ないのでじっくりとキープする.
そして,できるだけ9番が居る方から攻める.そうすれば,フォワード2人は無力化出来る.

その上で,狙いはミッドフィルダーの40番と21番.
中央のラインを3人で守るので,かなり体力を必要とする.

特に,上記で示したように40番は非常に献身的である.
40番は,かなり運動量を必要とするタスクを担っている.
これだけの運動量を課しているにもかかわらず,第4節まで途中交代は無くフル出場している.
確かに,献身的な選手なので替えが効かないのかもしれない.
しかし,負担をかけすぎである.
というわけで,40番にさらに負担をかけて体力的に試合から退場して貰おう.

まあ,その前にけが人続出で川崎フロンターレの選手が退場しそうだけど..
踏ん張って欲しい.

以下,よろしくお願いいたします.
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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.