2017年3月31日金曜日

第5節 川崎フロンターレ VS ベガルタ仙台 プレビュー

川崎フロンターレ第5節 ベガルタ仙台のプレビュー


4月1日に行われる「第5節 川崎フロンターレVSベガルタ仙台」のために,「第4節 柏レイソルVSベガルタ仙台」の前半15分を見た.
以下の3つについて見ていく.

①布陣
②ベガルタ仙台のサイドにおける守備の無駄
③ベガルタ仙台のスローイン対応の甘さ

ベガルタ仙台の布陣

まずはベガルタ仙台の布陣から.
3-4-3または3-4-2-1.

自陣に引いて守るとき(セットディフェンス)は,5-4-1になる.


このように,ベガルタ仙台は5-4で自陣に引いて守る.
したがって,ボールはキープできるがなかなか崩せないということが生じうる.


ベガルタ仙台のサイドにおける守備の無駄

サイドの守備の無駄を見ていく.
前半8分,右から左へ攻める柏レイソル.自陣に引いて守るベガルタ仙台.



柏レイソルの中央の選手から,サイドに開いた選手へパスが出る.

この段階で,ベガルタ仙台の守備はだいぶおかしい.

なぜ5バックであるのにもかかわらず,この位置でサイドに開いた選手へプレスに行けないのだろうか?
これでは,普通に4-4のブロックを作ったときと同じ対応である.
本来であれば,ウイングバックの2番が少し前に出て,サイドの選手にボールが渡った瞬間にドカッとぶつかるくらいのことをして欲しい.
もちろん,センターバック5番は,図で2番の位置に居なければならない.

その後,柏は右奥深くに侵入するが,ボールを奪われそうになり,後ろへ戻す.



柏レイソルの最終ラインの選手にボールが戻ってきた場面.
ベガルタ仙台はがっつり引いて5-4-1になっているのが分かる.
この後,柏レイソルは左サイドへとサイドチェンジする.



柏レイソルの左センターバックを経由して,左サイドにボールが渡った場面.

まず,おかしいのがベガルタ仙台の7番.
柏レイソルの左センターバックにボールが渡ったときに,ふらふらと中途半端に前にプレスに行く.

あまりにも不用意でいい加減なプレスに行った結果,サイドの選手にボールが出たときにベガルタ仙台の25番は前にプレスに出られず,非常に中途半端な位置に居ることになる.
ベガルタ仙台の25番は,柏レイソルの選手が画面外の左側に居て前に出られない,というわけではない.
左側には誰も居ない.
ベガルタ仙台の25番は何を守っているのか..

このような場面で7番は,まず,中央を閉めながら柏レイソル金髪君のパスコースを塞ぎ,ジリジリと前に出る.
そして,25番からの声がかかった瞬間に,中央を切りながら前にプレスをかけ,サイドの選手に出させる.
そのプレスの流れでサイドまでボールを追いかけて,25番と一緒に挟んでボールを奪う.
というのが理想かなと思う.

このように,ベガルタ仙台のサイドの守備は非常に怪しい.
右サイドハーフ(右シャドー?)の7番だけで無く,左サイドハーフの10番も非常に怪しい守備をしていた.
そのおかげで,ウィングバックは何をどう守るのか分かってなさそうだった.

ベガルタ仙台の5バックは,守備の仕方がまったく整理されておらず,ただ単に守備の人数を増やしました,という印象が強い.
まあ,守備の人数を増やせば当然失点はしにくいだろうけど.


川崎フロンターレとしては,このベガルタ仙台相手ならば容易にボールを保持できるだろう.
ただ,中央で保持するのではなくサイド奥までボールを当てて,サイドチェンジするなど,左右にひたすら揺さぶりをかけて欲しい.
そうすることにより,ベガルタ仙台の1トップと2シャドーがガス欠,またはやる気がなくなる
さらに,ウイングバックがどうやって守れば良いのか混乱するだろう.
繰り返しになるが,中央付近で長くボールは保持しないこと.


・・・・・・・いかん,ネットが中央付近でボールを持ち,無謀なワンツーをするべく縦に突進する場面が頭に浮かぶ...そして絶望的な状況でカウンターを喰らう....
いや,たいていの時間のネットは,ワンタッチ,ツータッチで素早くボールを散らしてくれている.・・・大丈夫,大丈夫・・・大丈夫だよね?


ベガルタ仙台のスローイン対応の甘さ

続いて,ベガルタ仙台のスローインの対応で気になったところがあるので,それを見ていく.



左から右に攻める柏レイソル.中央付近で柏のスローイン.
図の点線に示すように,ベガルタ仙台は,ボールより前に攻撃の選手を3人残す
なかなか思い切った事をする.

これがどれだけ特殊なことかは,大宮アルディージャを見ると分かる.
布陣は違うが,第1節の大宮アルディージャ(4-4-2).


図は,右側に大宮アルディージャの陣地がある.
中央付近で川崎フロンターレのスローインとなっている.
図の点線を見ると,ボールより前には攻撃の選手が1人しかいないのが分かるかと思う.
スローインになった瞬間に,大宮アルディージャの選手は素早くこの配置についていた.
このような対応が普通だと思う.

中央付近でのスローインのときに,ボールより前に残す攻撃の選手は多くても2人までかと.
しかがって,3人も攻撃の選手を残すベガルタ仙台は,なかなか珍しい.
もちろん,ボールを奪えればチャンスにはなるが,リスクが大きいのでなかなか取らない策だと思う.

この配置がたまたまではなく,チームとしての方針なのは,以下の場面でも確認できる.



もう少し,柏レイソルがゴールに近づいた位置でのスローイン.
同じようにボールの位置から線を引くと,ベガルタ仙台はボールより前に攻撃の選手を3人残している.
このように選手を配置すると,どうなるかはこの後の柏レイソルの攻撃を見れば分かる.
ベガルタ仙台は,スローインに対してセンターバック,ウイングバック,ボランチ2枚で対応している.
そのため,中央のバイタルエリアがガラ空きになる.
とうぜん,逆サイドにも選手は居ない.

この後,柏レイソルはフォワードの一人にボールが渡り,そのまま中央へドリブル.
そこから図の三角の選手にラストパスが出る.

ベガルタ仙台は,スローインからかなり簡単に崩せる.


以上,サイドの守備の無駄とスローイン対応の甘さを見てきた.
このような隙があるので,川崎フロンターレの選手達はかなり余裕を持って戦えるのではないかと思う.
しかし,柏レイソルはベガルタ仙台に0-1で負けている.
上記の隙を突いて崩せたとしても,5バックであることもあり,最後の局面での人数は多い.
したがって,なんとなく守られてしまうこともあるかもしれない.

最後のフィニッシュの精度や意識が,この2週間の中断でどの程度変わったか楽しみにしたい.


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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.



2017年3月21日火曜日

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ ー見事なサイドでの崩しー

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ.

二つほど短い内容を.
一つは気持ちを落ち着かせるための場面,もう一つはFC東京のサイドハーフの守備の甘さを突いた見事な崩しの場面.

まず,一つ目.

前半の13分.
右から左へ攻める川崎フロンターレ.




車屋からパスを受けた大島.
大島は逆サイドへボールを運ぶと見せかけて,見事な切り返しをする.
FC東京の37番は,堪らず尻餅をつく.
・・・・・・.

ちょっと画面が小さいかと思うので,拡大しよう.


解像度があまりよろしくないが,大島の見事な切り返しが決まったのが分かるかと思う.
誤解しないよう気をつけて欲しいが,あくまでも注目して貰いたいのは,大島の見事な切り返しである.
けっして,FC東京37番の尻餅では無い.
・・・・尻餅では無い.


続いて,サイドハーフの守備の甘さを突いた見事な場面について.



後半開始早々.
左から右へ攻める川崎フロンターレ.
中央付近でフリーキックがあり,それを受けた大島が前を向いてボールを保持しているところ.
川崎フロンターレの登里と車屋,FC東京のサイドハーフ15番とサイドバック2番に注目して貰いたい.



ネット→奈良→谷口とボールが渡った場面.
FC東京サイドバック2番は,車屋に釣られて前に出てくる.
登里は,その裏をすかさず狙う.
だが,サイドハーフ15番が登里に付いてきているため,谷口はパスを出さない.



その後,谷口→車屋→大島とパスが渡り,大島が中央へ行くと見せかけて切り返した場面
FC東京のサイドハーフとサイドバックの前後が入れ替わっているのが分かるかと思う.



大島は,FC東京2番と15番の間にパスを通し,登里へ渡す.
それで出来上がった場面.
サイドでの崩しとしては,素晴らしい場面だと思う.

ここまで来れば,あとはラストパスとシュートになる.
そこは今後の課題,というか永遠の課題かと思う.

FC東京は,やはりサイドハーフ15番の守備が甘すぎる.
まず,最初の場面で登里に釣られて中央に入りすぎていた.
さらに,車屋に出たときに,何もアクションを起こしていない.
通常であれば,中央へのパスコースを切りながら車屋にプレスをかけにいくべき.
この位置にサイドバックが一人でプレスをかけるのはおかしい.

FC東京15番は,その後も酷い.
サイドバックが前へ出た裏を,何もケアしていない.
登里が前を向いてドリブルしたときには,ジョグ(ゆっくり走る)だった.
その傍らで,全力で戻るサイドバック2番.
この一連のプレーで,サイドバック2番は,ハーフウェイライン付近までプレスをかけにいって,最終ラインまで全力で戻っている.


このように川崎フロンターレは,かなりうまく崩しが出来ている.
あとはラストパスとシュートの精度になる.
ここら辺にも何かアイデアは必要かもしれない.
だが,ラストパスとシュートについては永遠の課題だと思うので,地道に取り組んで欲しい.

では.


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2017年3月19日日曜日

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ ーやはり多いフリーキックの数ー

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ.

試合を見返していて,やはりファールの数が気になってしまった.
そこで,3月18日第4節までに行われた全試合のフリーキックの数(間接フリーキックを含む)を調べてみた.


データはJリーグの公式サイト(http://www.jleague.jp/)から引用した.

第4節で川崎フロンターレのフリーキックの数は30回.
それが如何に多いかが改めて分かった.

以下では,それを示す.

表は,第3節までの各チームのフリーキックの数を示している.


フリーキックの数は,12~18回の範囲に収まっていて,平均が15回である.
現段階で,極端に多いチームは無い.

以下のグラフは,3月18日第4節までの全試合におけるフリーキックの数をヒストグラムで表している.


中央付近の矢印がついている柱は,フリーキックの数が15~19回の範囲の試合が28試合あったことを示している.
この範囲の試合が一番多く,最初の表の平均が15回というのと一致している.

フリーキックの数が多い方を見ると,20~24回の試合が10試合,25~29の試合が0試合,30~34の試合が1試合ある.
もちろん最多の試合は,第4節で川崎フロンターレのフリーキック数である.

如何に突出しているか分かるかと思う.



ごめんなさい,一晩経てば冷静になるかと思ったが,逆でした..

では.


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第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ ー壊された試合ー

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ.

Jリーグの公式サイトによると,川崎フロンターレのフリーキックは30回で,FC東京は16回.
つまり,FC東京のファール数は川崎の約2倍.
FC東京が第3節までに相手に与えたフリーキックの数は,vs鹿島11回,vs大宮13回,vsG大阪15回で平均13回.
FC東京の今までのファール数から考えても,今節のファール数はかなり多い.

その割には,審判が出したカードは少ない.
・・・少ない.

最低でも後2枚はカードが出るべきだったと思う.
以下ではその場面を文章だけになるが見ていく.

まずは,ボランチの37番.
後半46分.
37番はボールがネットから離れた後に,ネットの足を踏む.
審判はファールを取らなかったが,ネットに声をかけていた.
見えていた様子.

すぐ後の49分.同じような感じで,37番はボールがネットから離れた後にネットの足を蹴る.
審判は,すかさず37番にイエローカードを出す.
この判断は正しいと思う.
49分のプレーだけだとイエローカードかどうか微妙なところだが,おそらく審判の頭の中には46分のプレーもあったのでは無いかと思う.


しかし,この後からおかしくなる.

後半の57分.
37番は,中央付近で前を向いてドリブルしている登里に後ろから足を蹴り倒す.
前を向いてドリブルしている選手に,後ろから足を蹴って倒すのは,けっこう悪質なプレー.
危険なプレーであるし,相手の好機をファールで阻害したことになる.
しかし,審判は注意だけですます.
イエローカードを出せば2枚目になりレッドカードとなる.
この段階で,注意だけで済ませるのは分からないでも無い.
・・・・出しても良いと思うが..

後半の64分.
37番は,中央前目の位置でボールをキープしている大橋を手で引っ張り倒す.
後半57分のプレーと合わせて間違いなくイエローカードで良いはず.
しかし,審判は注意だけ.


その後,37番はすぐに交代してベンチに引っ込む.



37番の代わりに入った27番.
76分のプレー.
車屋から裏にパスがでて,登里と27番が走る.
うまく登里が前に出るが,その瞬間に27番が後ろから突っかけて倒す.
これまた危険なプレー,かつ好機の阻害なので,イエローカードを出して良いはず.
しかし,審判は出さない.

これで調子に乗った27番.
86分.
中央付近でドリブルする大島に遅れて足を入れる.
しかし,大島は堪えてそのままドリブルで前進.
審判はしっかりと見ていて,アドバンテージをとる.
だが,27番はドリブルする大島を追いかけ後ろから引っかけて倒す.

さすがに審判はイエローカードを出した.
1プレーの間に2回もファールをする.
あまり見かけない悪質なプレー.

これは審判がどのような基準でイエローカードを出したのか,気になる.
プレーを見る限り,アドバンテージ後のファールだけでもイエローカードで良いと思う.

3回続けてファールしたらイエローカードが出ることがある.
この回数は,ファールの質や審判の判断に依存する.
このように続けてファールをしたらイエローカードと判断するならば,1プレーの間に2回ファールというのも,かなり厳しい判断を下すべきかと思う.

実際どうなのだろうか?


このように37番と27番は,それぞれもう1枚ずつイエローカードを貰って良いはず.

37番の度重なる露骨なファールと,それに代わって入った27番の悪質なプレー,FC東京は事前にファールを仕込んできたのだろうか.
つまり,川崎フロンターレのパスワークをファールで阻害することを戦術の一つとして取り入れてきた可能性がある.

ただ,普通であれば64分の段階で37番は退場している.
もし,事前にファールを戦術として取り入れていたら,64分の場面が出る前に交代していると思う.

いずれにしろ,ファールを通してFC東京が利益を得たのは間違いない.


この試合で,審判がレッドカードを出すのをためらった理由は,前節の柏レイソルとの対戦にある気がしてならない.
前節では,後半70分に抜け出した中村をファールで止めて,柏レイソルの選手にレッドカードが出ている.
決定機の阻止なのでレッドカードが出てもおかしくないが,少し厳しい気がした.
帳尻合わせのために,今節では川崎フロンターレの対戦相手にレッドカードを出さないようにした,ということはないだろうか.
・・・・・まあ,かなりの妄想だとは思うが.


しかし,川崎フロンターレの選手は良く堪えて冷静に戦っていたと思う.
特に,76分に倒された登里は頑張った.
抜けた!と思った瞬間に倒されて,さぞ悔しかったろうと思う.
それにも関わらず,不満を爆発させたいのを良く耐えた.

というわけで,FC東京の選手では無く,登里を日本代表に呼んで欲しい.
今からでも良いでは無いか.
走るよ,登里.

では.



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2017年3月14日火曜日

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレ プレビュー -狙いはいつも通りサイドハーフ-

第4節 FC東京 vs 川崎フロンターレのプレビュー.

第3節のFC東京 vs ガンバ大阪を少し見て,FC東京の守備を確認した.

まずはフォーメーション.



FC東京はオーソドックスに4-4-2.



4-4-2なので,もちろん最初の狙いは両サイドハーフ.
両サイドハーフが,中央に絞るのか,サイドに釣られるのか,さらにプレスバックはあるのかを見ていく.

結論から言うと,FC東京の両サイドハーフは,いずれかの穴を抱えていた.
以下では,それを見ていく.

まずは,左サイドハーフの15番を見ていく.


前半10分頃.
左から右にゆっくり攻めるガンバ大阪.
それをブロックを組んで迎えるFC東京.
ガンバ大阪のセンターバックからフォワード(FW)に縦パスが入る.
それをフォワードはワンタッチで落とす.そして,ボールがウイングバック(WB)に渡ったところ.

FC東京の左サイドハーフ15番は,裏を取られたことになる.
ガンバ大阪のウイングバックは前を向いており,フォワードもサイドに張り出している.

FC東京はサイドバック一人しか残っていないので,なかなかのピンチ.
FC東京サイドハーフ15番は猛然とプレスバックをしなければならないのだが・・・



・・・離されている.
ドリブルで前進するガンバ大阪ウイングバックより,むしろ遅い.
FC東京サイドハーフ15番は,プレスバックする気があまりない.

FC東京ボランチ8番がそばに居るから,良いということにはならない.
ボランチ8番は,中央付近に居るフォワードをケアする必要がある.
もちろん,センターバック5番はディフェンスラインに戻る.
15番は,ドリブルしているウイングバックにプレスに行かなければならない.

このような場面が何度か見られた.
15番は前にかけるプレスは積極的だが,後ろへのプレスはかなり消極的であった.



続いて,FC東京右サイドハーフの17番を見ていく.


左から右にゆっくり攻めるガンバ大阪.
ボランチから右センターバックにボールが出たところ.

ボールと反対側に居るFC東京の右サイドハーフ17番を見てみると・・・身体がサイドの方に向いている.
17番は,サイドに張っているガンバ大阪のウイングバックが気になる様子.

17番の守備の意識はそこそこ高いのだが,それがサイドに向きすぎている.
したがって,サイドに釣られて,ボランチとの間を空ける可能性が高い.



最後に,4-4のブロック全体のボールへのシフトを見る.

前半23分.
ガンバ大阪の中央のセンターバックから,サイドに降りてきたフォワードへパスが渡る.
フォワードは振り向いてドリブルし,サイドに張り出しているウイングバックへパス.
そのサイドバックからフォワードにワンタッチでボールが戻った場面.

FC東京のディフェンスラインは滅茶苦茶になっている.
逆サイドのセンターバックとサイドバックが全く絞っていない.
中央のラインもひどい.
確かに,ガンバ大阪の素早い攻撃であったが,フォワードがドリブルしているときに時間はあったはず.

この状況がどれだけよろしくないかは,第1節の大宮アルディージャと比較するとよく分かる.


大宮アルディージャは,縦横としっかり圧縮されていて,選手間の距離がそこそこ均一なのが分かるかと思う.

まったく同じ状況での比較は出来ないので難しいが,FC東京は守備に綻びがだいぶあるように思える.


まとめると,FC東京の守備にについて以下のことが言えそうである.

1.左サイドハーフ15番は,プレスバックをサボることが多い.
2.右サイドハーフ17番は,サイドに意識を取られすぎることが多い.
3.全体的に守備のときの選手間の距離が統一されていない.


まあ,週末の試合の前に,今日ACLがあるんだよね..

では.


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2017年3月13日月曜日

第3節 川崎 VS 柏  -改善しつつある選手間のコミュニケーション-

J1リーグ 第3節 川崎フロンターレ VS 柏レイソル.

第1節の記事では,選手間の意図が合わない理由の一つとして,コミュニケーション不足を指摘した.
そのコミュニケーション不足が,今回の試合を見ると,改善しているように思える場面があった.

以下では,それを見ていく.




後半の66分30秒付近.
柏レイソルのペナルティエリア脇クロスを,谷口がヘディングで跳ね返す.
そのこぼれ球が小林に渡る.
小林は,そのままサイドをドリブルで駆け上がる.

川崎フロンターレの選手は,守備に戻っていて,前線に居ない.
唯一,中村が中央に居るだけ.
その中村は,手を上げて「ここに居る!」または「ボールよこせ!」とアピール.
そのまま前に突破するのでは無く,逆サイドに展開することを主張.

良い感じ.

第1節では,似た状況で家長がサイドを突破していたのだが,中村は中央で何もせず歩いていただけ.
もちろん,今回は小林の周りに誰も居なくて,前回は家長のそばに小林が居たという違いはある.

いずれにしろ選手間でこのようなやりとりが増えるのは好ましい.
小林は,中村の指示に従うも良い.
中村の指示は,柏レイソルの選手にも聞こえているので,逆をついてそのまま突破しても良い.
駆け引きの材料になる.


では.


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2017年3月11日土曜日

第3節 川崎 VS 柏  -やはりおかしい柏のSBの守備-

J1リーグ 第3節 川崎 VS 柏.

プレビューで柏のDFラインのシフトが無いこと,特にSBの守備がおかしいことを指摘した.
そのためか,2節のスタメンから,失点の要因になった右SBだけが変わっている.

結論から言うと,選手の問題もある程度あったのだろうが,チームとしての守備の設計がおかしいのがより深刻な問題だと思う.

以下では,それを見ていく.



確認のために,両チームの布陣.どちらも4-4-2.

まずは,右SBのポジショニングから見ていく.



前半4分.
左から右に攻める川崎,それを迎える柏.
サイドチェンジして,左サイドの選手によいボールが出た場面.
やはりSBが引っ込んでいる.

たしかに,FWがそばに居る.けど,一枚だけ.
SHが間に合っているというのもあるけど,もう少しサイドに寄って,前に出て良いと思う.


似たような場面を第1節の大宮で探してみた.


同じく左から右へ攻める川崎,迎える大宮.
サイドチェンジして,左サイドの選手によいボールが出た場面.
大宮の右SBが,シフトして少し前に出ているのが分かるかと思う.

ボールと逆サイドのSBとSHの位置は,柏と大宮ともにほぼ同じである.
しかし,柏はボールサイドのSBとCBの距離が近いため,ボールにうまくアプローチ出来ていない.
もちろん,大宮の場面はSBとCBの間にFWが居なかったり,SHが間に合っていなかったり状況は異なる.
しかし,大宮は川崎の選手がどこに居ようが,ボールがあの位置にあるときはこのような配置になるのだと思う.

まあ,この場面のあと,大宮のSBはかわされてサイドを突破されるんだけどね..


以下では,柏のSBの守備の設計が良くないことを,左SBの守備から見ていく.



前半キックオフ直後の場面.
大島から,CMFとSHの間に入った中村へパスが通る.

中村の背後から,かなり勢いよく柏のSBがチェックに行く.
おそらく,チームの約束事として,CMFとSHの間を通すようなパスには,SBが激しくチェックに行くことになっているのではないかと思う.
これはあまり良くない対応.

チャレンジ&カバーの原則を無視している.




ボールに対して一人が前に出て,その両脇の選手は中央に絞る,というのがチャレンジ&カバー.
前に出た選手を頂点とする三角形を作る.
これによって,縦へのボールを通せなくさせる.



サイドの選手には,両脇に選手がいない.
しかし,タッチラインがあるので,そちら側は気にしなくて良い.



けど,このタッチラインが遠かったらどうなるだろうか.
すぐ分かるように,サイドに大きなスペースを作ることになる.

柏のSBのチェックは,こういった状況を作り出している.


では,CMFとSHの間を通してパスを受けられたらどうすればよいのか.

今の状況では,中村は中盤のラインまで落ちている.
したがって,SBはCMFに中村のマークを預けてすぐに下がる.
そして,SHはCMFのカバーの位置に入る.
SHは,CMFからのプレスが十分かかっていれば,中村を挟みに行っても良い.
ただし,CMFとSHが並ぶので,裏へのパスは十分に注意しなければならない.

続いて,今の状況と少し違うが,CMFとSHの間をパスで通されて,中盤とDFラインの間でボールを受けられた場合についても見よう.

これはまた,大宮の対応を見れば良い.



左から右へ攻める川崎.
田坂からCMFとSHの間を通してパスがでる.
それを受けた阿部が上手くターンしたところ.

阿部に対しては,CBがチェックに行っている.
左SBは,サイドに開いた小林ではなく,CBのカバーを優先している.
右CBがもう少し絞ってくれると良いかと思うが,オフサイドラインを意識して足が止まった様子.

CBを前に出すと,その裏を使われる可能性はある.
しかし,CBの両脇の選手がしっかりカバーしていれば,そうそう上手く使われることは無い.

さて,話は川崎vs柏に戻る.
川崎は,上記のようにして出来たSB裏のスペースを使えたのだろうか.



左から右へ攻める川崎.
奈良からCMFとSHの間を通して,降りてきた小林にパスがでる.
小林は,中盤のラインとDFラインの間でパスを受ける.
そこへプレスにくる柏のSB.
そのSBの裏を狙う阿部.

小林がボールの軌道を少し変えれば,簡単に阿部にボールが渡る.
しかし,大島へのパスを選択.

少なくとも阿部は,かなりしっかりと分かっていて,それに適した動きをしていた.
しかし,小林は気づいていたのだろうか.
小林は,どこのポジションの選手がプレスに来ているのか,その結果何処が空くのか,ということを確認できているのだろうか.
少し疑問である.

では.

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2017年3月10日金曜日

第3節 川崎 VS 柏  -著しく向上したSHの守備の強度-

J1リーグ 第3節 川崎 VS 柏.

川崎と柏の布陣はともに4-4-2.



報道通りに奈良がCBに入った.
ただし,CBの右.プレーを見る限り,右CBが適切かと.
ACLはホントに左CBだったのか?

それは置いといて,川崎の両SHをみる.
鬼木達の選択は,左に登里で右に小林.
以下では,この両SHの守備の強度を見ていく.
結論から言うと,堅くて良かった.

まずは,登里.


前半の37分.
右から左にゆっくり攻める柏.
柏CB5番が前を向いてボールを持った場面.

登里はサイドに開いた柏26番に釣られること無く,しっかり中央にいる.
まずは,図に示したネットとの間をグラウンダーのパスで通させないことが大事.

柏CB5番は,サイドの柏14番にロングパス.



柏CB5番の非常に精度の良いパスが,柏26番に通る直前の場面.
車屋はしっかりと反応している.

この後,柏26番はしっかりとボールを収めて,前を向く.
しかし,その瞬間に後ろから登里がゴリッとボールの前に身体を入れて奪い返す.


上記の直後を,遠いカメラから見たところ.


登里は,かなり長い距離を走っているのが分かるかと思う.
車屋は,縦の突破を抑えて時間を稼ぐ.
その間に登里がプレスバックして奪い返す.

車屋が縦をしっかり抑えているので,登里は容赦なく身体を入れることが出来る.
非常に良い守備.
これが出来るか出来ないかで,SHの価値はもの凄く変わる.

続いて,右SHに入った小林.
荒削りな部分が見られるが,奮闘していた.



場面は中村のシュートが選手に当たり,クリアボールが柏の14番に落ちたところ.
ここから柏のカウンターが始まる.
小林はちょうどバイタルエリアに居る.



中に向かってドリブルで駆け上がる14番.
そこへ前線から猛然と戻ってくる小林.



小林のプレスにより,柏の14番は横パスを選択.
見事にプレーを遅らせて,カウンターを阻止する.

このプレーは,さぞかしスタジアムを盛り上げたのでは無いかと思う.


このような感じで,両SHの守備の強度がもの凄く強かった.
見ていて気持ちが良かった.

ただし,これだけ走り回るので,体力の消耗は激しい.
特に登里は,攻撃で縦への突破を繰り返していたこともあり激しく消耗する.
前半の終わりくらいには息切れしている雰囲気はあり,68分に交代.
それでも攻守に渡って奮闘した.

小林もこれだけの意識を持って望んでくれれば非常に良い.
登里が26番から奪ったようなプレスバックはあまり見られなかったように思えるが,SBとの連携が良くなれば出来るようになる.

何にしてもホームでの勝利,良かった.

では.

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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.






第3節 柏 vs 川崎のプレビュー -スタメン予測と希望-

CBの奈良がスタメンかもしれないという記事を見た.
それを元にスタメンを組んでみた.



奈良はACLで左CBに入っていたので,そこへ配置.
左SBは車屋に.
中村を中央に持っていき,左SHは三好.
柏の右サイド裏を狙うことを考えて,左SHは登里でも良いかもしれない.
これが無難な布陣だと思う.


以下のような布陣で挑戦するのも・・・ありかと・・・.



前節で失点の要因になった中村と登里を外す.
阿部を左SHに持ってきて,田坂を一列前に上げる.
右SBは,ACLで出ていたジェームズ.
家長を中村の代わりに出して,トップ下に配置する.

ACLは見ていないので,ジェームズがどういった選手かよく分かっていない.
家長も怪我の状態が分からない.
・・・・・この布陣は無いだろうと思いつつ,並べてみた.

では.

以下,よろしくお願いいたします.
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