2018年10月21日日曜日

2018 川崎フロンターレ vs ヴィッセル神戸

概要

中央のディフェンスラインの質を比べると,大差がついたのは納得できる.
ヴィッセル神戸は,チーム内での意思の疎通がとれていないためなのか,4-4-2ですらまともに守備が出来ていない.
一方,大勝した川崎フロンターレだが,失点の要因としっかり向き合って欲しいと思う.

布陣

川崎フロンターレは4-2-3-1,ヴィッセル神戸は4-3-3から開始.








もろすぎるヴィッセル神戸の中央ライン

ヴィッセル神戸の布陣は,前半の途中まで4-3-3,それ以降4-4-2?で守備をしていた.
4-3-3の場合,中央に入る選手は3人で横幅すべてを守らないといけない.
そのため,サイドチェンジされたときなどに如何にハードワーク出来るかが重要になる.
まずその確認を行う.

図は開始早々に中村憲剛がサイドチェンジのパスを出し,エウシーニョが前を向いた場面.川崎フロンターレは左から右に攻めている.

ヴィッセル神戸の中央のラインは,ぜんぜんボールサイドに寄せていないのが分かるかと思う.
理想的には,ヴィッセル神戸の14番は小林悠の前まで,7番は審判の前まで寄せるべき.
開始早々なので,疲れているとかそういったことは一切無い.
中央のラインは緩すぎる.
ちなみに,中村憲剛がサイドチェンジのパスを蹴った瞬間に,大島僚太は振り返って7番と14番の動きを確認している.
7番と14番の間を使う気満々である.

次の図は,ボールが逆サイドの時.

手前の8番は,しっかりピッチの半分くらいまで寄せている.
やはりこれくらいは,寄せないといけない.
7番は緩いが,8番はそうでもないというのがわかる.


ヴィッセル神戸は前半40分くらいから4-3-3ではなく,4-4-2?みたいな感じになる.
3点取った直後でもないので,いまいち布陣を変えた理由は分からない.
川崎フロンターレは,前半28分くらいから家長昭博をトップ下にした4-2-3-1に変更しているので,それに合わせたのかもしれない.
図は前半終了間際の様子.


ヴィッセル神戸の8番は,ボランチに入っている.
ボランチも出来るのか,と思ったが,動きを見ていると川崎フロンターレとしてはこれで助けられたのでは無いかと思える.

図は後半開始早々のヴィッセル神戸の選手の並びを示した物.
川崎フロンターレは,右から左に攻めている.
後半に入っても,神戸は4-4-2?のままであった.


今度の図は前半の55分.
8番の守備が混乱?しているのが分かる.
サイドチェンジのパスが,奈良達樹に入った場面.
神戸のブロックは4-4.8番が少し前に出ている気がするが.



家長昭博が下りてきて,そこにパスが通る.
神戸のサイドバックの22番がついてきているので,家長昭博はそのままパスを奈良竜樹に返す.

それをみた8番は,奈良竜樹にプレスをかけに行く.
家長昭博についてきた22番は,センターバックに呼び戻され,最終ラインに戻る.
奈良竜樹はすぐにサイドに張っているエウシーニョへ出す.

エウシーニョは,もちろん,フリーになった家長昭博にパス.
周りにヴィッセル神戸の選手がいないので,家長昭博は余裕を持って前を向くことが出来る.
このままフィニッシュまですんなりと進む.

こういった場面が結構あった.
8番は結構不用意に前に出る.
8番の責任というよりも,約束事がしっかりなされていない印象が強い.
そもそも,ヴィッセル神戸は4-4-2で守る気があったのかと聞きたいくらいだが.


一方の川崎フロンターレはどうかというと,

前からプレスをかけて,それを剥がされた後の場面.
どれだけ戻れるかが勝負の場面だが,4-4のディフェンスはしっかりと作れている.
家長昭博がだいぶ気になるが..


川崎フロンターレの失点要因

川崎フロンターレの2失点目と3失点目は,ヴィッセル神戸のナイスゴールで済ましては
いけない.
そこそこ重要なミスが背景にある気がする.

まずは2失点目.
この前後で布陣が4-4-2から4-2-3-1に変更になっている.
家長昭博がトップ下になって,小林悠が右サイドに入る.

ヴィッセル神戸のコーナーキックを跳ね返して,全体的に押し上げた後の場面.


知念はFWの位置まで戻っているが,ボールの前にもう一人のFWが居ない.
4-4-2であれば,小林悠がもう一人のFWである.
どこにいるかというと,

右サイドでディフェンスラインに入っている.
コーナーキックだからしょうがない,とはならない.
知念慶はFWまでしっかり戻っている.
おそらく小林悠は,このときすでにFWという意識では無く,右サイドという意識だったと思われる.
しかし,家長昭博はどうもその認識がなかったのでは無いかと思う.


前線に一枚足りないため,ヴィッセル神戸の8番にプレスが一切かからない.
10番が8番にボールを戻したタイミングで,大島僚太は前に出ざるを得ず,その裏を使われる.
そこから,16番にボールが出て失点につながる.

8番にプレスへ行くべきだったのは,4-4-2であれば小林悠,4-2-3-1であれば家長昭博か状況によっては知念慶.
小林悠は,4-2-3-1右サイドに入っているという意識で,家長昭博も4-4-2右サイドに入っているような動き,知念は4-4-2の左FWであった.
家長昭博はただ単にサボっていた可能性も高いが・・・.
4-2-3-1になっているのではれば,家長昭博は8番まで押し上げるべきだった.
どうもチーム全体で一気に布陣変更が行われていないように思える.
その混乱時に失点している.


続いて3失点目.
これは明らかに奈良達樹の責任.

ペナルティエリア付近に7人も上がっていて,フィニッシュできず,カウンターを喰らっている.
しかも,どっちが取るか分からないボールではなく,10番が先に触るであろうボール.
奈良達樹は,それに対して一か八かのスライディングを行っている.
躱されたら失点するのは半ば必然.

ただ,躱されたけどファールはしなかったので,個人的にはよく我慢したと言いたい.
ファールできなかっただけかもしれないが..
しかし,その後,ケアに入った中村憲剛は意図的にハンドで止めようとしていたように見える.
手に当たらなくてホントに良かったと思う.

ヴィッセル神戸の出来を考えると,勝利は最低条件で,あとは如何に点差をつけるかだったのではと思う. 3失点で気持ちを引き締めて残りの試合に挑んで欲しい.

以下,よろしくお願いいたします.
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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.