2020年8月27日木曜日

狙い通りに得点できている 2020年 第13節 川崎フロンターレ 対 ヴィッセル神戸

けっこうやられた感がありましたが,冷静に見ると攻めるべき時は,しっかり攻められていたと思います.

ヴィッセル神戸の独特な3センターをうまく攻めていました.



川崎フロンターレはいつも通りの4-3-3.

ヴィッセル神戸も4-3-3.



ヴィッセル神戸の3センター

ヴィッセル神戸の中央の3人(5番,6番,14番)は,通常の3センターと違い,個々に異なるタスクが割り当てられている.

前半6分.
左から右に攻める川崎フロンターレ.




ジェジエウがハーフライン付近でボールを保持している場面.
この段階ですでにヴィッセル神戸の6番はセンターバックの間に降りている.

押し込まれたら,中盤の選手がセンターバックの穴を埋めることは良くあるが,かなり早い段階で降りているのが分かる.

その結果,ヴィッセル神戸の中央は,ボランチ2枚とサイドハーフ2枚の4人でラインを作っているようになる.

ただ,ヴィッセル神戸の14番はボランチという意識は薄い.

前半の7分.

谷口が後ろでボールを保持している.
ヴィッセル神戸の14番は,フォワードとほぼ同じラインまで前にプレスに来ている.

左サイドの谷口がボールを持つときは逆サイドの14番が前,右サイドのジェジエウがボールを持つときは逆サイドの5番が前,という訳ではない.
14番はトップ下なのでは?と思うくらい前にプレスに来る.

3センターの残りの5番はどうかというと,3センターという気持ちではなく,どちらかというと2ボランチの右側,という意識のように感じた.

ヴィッセル神戸の3センターの動きをまとめると,

1.中央の6番はかなり早い段階でセンターバックの間に降りる.
2.左の14番は前へプレスする意識がかなり高い.
3.右の5番は,2ボランチの意識が強そう.

となる.

上の3つが揃うと,バイタルエリアがガラ空きになる.
川崎フロンターレの先制点は,まさにここを狙った結果.

狙い通りの得点

前半21分.

家長がスローインを脇坂に出す.
脇坂は戻りつつ,中央にいる田中へパスを出す.

この段階で,6番はすでにセンターバックの間に降りている.

田中へは14番がプレスをかけてくる.
田中は14番を引きつけて左サイドへパス.


14番はそのまま田中に付いて戻らない.

サイドにボールが出たので,ヴィッセル神戸の5番もサイドによって来る.
そうすると,ピンクで示したゴール前中央バイタルエリアがガラ空きになる.

このスペースを脇坂と大島がうまく使って,先制点をあげる.

ここで余裕を持って前を向かせては,さすがに駄目かと思う.


ヴィッセル神戸は,このバイタルエリアを使われるのがやはり嫌なのか対策を打ってくる.
ただし,それすら川崎フロンターレには穴にしかならない.

後半74分.
右から左に攻める川崎フロンターレ.

中央付近で家長がボールを保持している.
ヴィッセル神戸のディフェンスラインを見ると,6番がセンターバックの間ではなく,気持ち前に出てきているのが分かる.
前半だったら,完全にセンターバックの間に降りていた場面.

家長は登里にパスを出す.
登里へのパスを見たダミアンは,すぐさまセンターバックの間,6番の後ろへ走り込む.
登里はそこへピンポイントのクロス.

このクロスはヴィッセル神戸の6番がクリアするが,前に出ていた分,戻りながらのかなり苦しいクリア.
大きくクリアすることは出来ず,三笘に拾われて,旗手の得点に繋がる.

ヴィッセル神戸の対策の逆を突いた見事なプレー.


残念ながら引き分けに終わったが,そこまで悲観する内容ではないように思う.


ただ,長谷川の復帰はまだだろうか.

以下,よろしくお願いいたします.
にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村

画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.