前半追加点のシーンです.
4-4-2のサイドハーフを無力化し,見事に相手を崩しました.
まず,布陣は以下の通りです.
川崎フロンターレは4-3-3,鹿島アントラーズは4-4-2です.
1.鹿島サイドハーフの守備
鹿島アントラーズは普通の4-4-2で守ります.
4-4-2の守備はサイドハーフがどの程度守備を頑張るかで,強度が極端に変わります.
川崎フロンターレは,サイドハーフの守備の綻びから崩していきたいところ.
前半6分,左から右に攻める川崎フロンターレ.
川崎フロンターレの13番,右サイドバック山根が長い距離を走ってオーバーラップ.
鹿島アントラーズの左サイドハーフ11番はしっかりと着いてきます.
前半,9分.
ロングボールが山根に通ります.
そこへも,しっかりと鹿島の左サイドハーフ11番は戻ってきます.
鹿島アントラーズの両サイドハーフは,そこそこの強度で守備に貢献します.
それなので,川崎フロンターレはなかなか崩せなくて大変・・・とはならず,狙い通りです.
川崎フロンターレの両サイドバックの攻撃を,サイドハーフに対応させるのは,体力的にほぼ無理です.
必ず綻びが生じます.
川崎フロンターレは,その綻びをエグいほどに狙っています.
2.サイドの崩し
前半の29分.追加点につながる場面です.
左サイドバックの登里がハーフライン少し手前までドリブルして,センターバックの谷口にボールを戻した所です.
ここから,ジェジエウを経由して,右サイドバック山根までボールが渡ります.
山根にボールが渡った場面です.
鹿島アントラーズの左サイドハーフ11番は,ジョグで見ています.
代わりに,鹿島アントラーズの左サイドバック14番が山根に向かって詰めてきています.
もう,最高の場面です.
サイドバック対サイドバックの状況が作れました.
山根は,この場面で勝負できないようなら,攻撃参加する意味なし.
鹿島アントラーズの左サイドハーフが微妙に前に残っているので,もしボールを獲られたらかなりのピンチになります.
けど,勝負でしょう.
家長が左サイドバックの裏に向けて走って,山根は中央に向けてドリブル勝負.
山根は見事に,抜け出ます.
そうすると,どうなるかというと,家長をケアしていた鹿島のセンターバック28番が山根の方を向かざるを得なくなります.
そのタイミングで山根は,フリーになった家長へとパス.
センターバックが一枚出てきているので,中央には2対2の状況が出来上がっています.
ここで,ダミアンがボールに寄りすぎていないのも素晴らしい.
鹿島アントラーズの右サイドバック2番からすると,最悪な状況.
家長はゆっくりと前線を確認してクロス.
ダミアンを通り越したボールは長谷川に収まって,ナイスゴールに.
見事でした.
鹿島アントラーズは,川崎フロンターレの対策をしたと思えない守備.
監督は古い人なのでしょうか.
逆に,川崎フロンターレは,このレベルのできの相手ならあと1~2点は獲って欲しかった.